【スリブレ】繋ぐんだ。きっといいことがある。
聖剣のごとく家から抜き取り持ち出したモノサシがよかったのか、はたまた消え入りそうな運をここで消費していたのか、小学生のときはモノサシ落とし最強を誇っていました。
交代でペンでモノサシをはじいて机から落とした方が勝利するあれです。
15cmのありきたりなモノサシ、三角定規みたいな特殊な形のモノサシ、浮かすことが出来ないけれどもはじきやすい製図用モノサシ。
さすがに小学生で三角スケール使うやつはいませんでしたが、幼い頭なりにどのモノサシなら強いのだろうと考えていました。
はじくペンも創意工夫され、鉛筆やボールペンやシャーペン、それもプラスチックの部分を使うのか、ゴムの箇所を使うのか、このペンとどのモノサシを組み合わせるのが強いのか。
ミニ四駆を通過し、ポケモンが流行りだしたぐらいでしたでしょうか。
いみじくも自分なりのキャラクターを作る方法論がある程度浸透していた時代です。
こいつはめちゃくちゃ強いが方向を間違えれば瞬間的に落下してしまう。
こいつは浮かして相手を乗せやすい、こいつは重いから相手のミスを誘って勝利するんだ、と様々なバリエーションを考える訳です。
それも恥ずかしい名前を付けて...
ローカルルールがどれだけあるのか気になるところですが、
「上に乗られたら3回以内に逃げないと行けない」とか「サシをはじくまではペンを離さなくていい」とか、相手のモノサシをはじき飛ばすだけではなく、モノサシの物理的な構造からルールが追加されていったのは今考えても面白いですね。
はじくだけだとXY軸が支配する平面空間の戦いになり、ドラゴンボールみたく力と力の勝負として、工夫もクソも無くなってしまうのですが、
このルールを追加するだけで、端に追いやられて絶体絶命の状態からポジションを入れ替え逆転のチャンスにすることが可能になります。
どこからこの遊びが流れ着いたのかわかりませんが、幼い頭脳の想像力はたくましさに思わず下を巻いてしまいます。
さて、前置き長くなりましたが、スリングショットブレイブス、略してスリブレの感想です。
もう過疎化が進んで共闘がなかなか繋がらないスリブレの感想を今更どうかと自分でも思ってしまいますが、ビリヤード系といいますか、ハジキ系といいますが、モンストやうち姫に代表されるゲームジャンルの一つとして面白かったので少々。
スリブレの戦術性
ユニットを飛ばして敵にぶつけ攻撃を繰り出し、殲滅する。
戦闘システムのコアとしてはこれだけです。
その上で以下のポイントを戦術として考慮する必要があります。
- いかにして多くの敵にダメージを与えるのか
- いかにして味方に繋げるのか
- いかにして攻撃を受けない着地点につくのか
まずは多くの敵にという点ですが、スリブレはビリヤードのごとく敵にぶつかると攻撃して跳ね返り、連続で何体もの敵にダメージを与えていくコンボが爽快です。
ぶつかると速度が増し、継続距離が伸びるのでコンボが繋がりやすく設計されています。
また、スリブレの特殊性は味方に当てることによるコンボ継続に表れます。
コンボ数により攻撃力に補正がつくので、いかに敵にぶつけながらその導線に味方を置いておくかが重要になります。
途切れさせないことがこのゲームの肝なんだと、補正の強さを反映したダメージ計算にその意思が感じられますね。
相手が次自分に当てられるようにしておく、相手が自分を使って敵にダメージを与えられる場所に配置しておく。相手への気遣いが戦い方に現れるので共闘を表現している好例だと思います。
ただ、継続が明示されてはいますが、コンボの仕組みが攻撃力が上がるだけ+それについての説明は読み飛ばせてしまうものなので、理解していない人も多かったです。
こっちはコンボ溜めようとしているのにあさっての方向に移動されるとイラッとしてましたね。。。
最後に敵の攻撃の回避ですが、敵は攻撃範囲が明示されていたり、パターンがあるのである程度予測できるようになっており、
飛ばした後の配置を考える余地を作っています。
他にも後ろから攻撃した方が強くなったり、武器特性などで跳ね返り方が変わるなど、毎回きちんと思考する必要があります。
武器特性にみるプレイヤー層の違い
スリブレの武器特性は
- ブレード(跳ね返る、単体攻撃)
- ハンマー(一度あたると止まる、範囲攻撃)
- グローブ(跳ね返る、単体2回攻撃)
- ランス(突き抜ける、単体攻撃)
- ロッド(跳ね返る、範囲攻撃)
の5種類。
ちなみにモンストの武器特性は
- 反射型
- 貫通型
の2種類です。
スリブレは武器ガチャなので武器が多いというのもありますが、ハジキというゲームをバリエーションでしっかり遊ばせようとしていますね。
制作者がRPG好きなだけかもしれませんが、ゲームデザインの力を信じている作り方のように感じます。
対してモンストがコミュニケーションを増大させる方向に向かっていますね。
スリブレのような重ねる形のコンボではなく、味方にあたったら迫力満点の特殊効果が発動する形なので、むしろ味方にあたった時の快感をすぐに引き出せるために、はじかせ方のバリエーションは最小限にしています。
おそらく「ゲーマー」としてはスリブレの方が楽しく遊べるのではないでしょうか。
数あるシチュエーションの中から最適な戦術を成立させる遊び方。
片手間で遊べて、なおかつみんなでわいわい遊ぶプレイヤーだとモンストでしょうね。
こちらは戦術よりも戦略が重視されます。
格ゲーとスマブラの違いを考えれば明らかですが、戦術を組み立てる、つまり手に溜まる経験値が必要な割合が大きければ大きいほど初心者やライト層にはつらいものになります。
スリブレは途切れないように慎重に。
モンストは一発当てて快感を。
同じ味方に当てるという構造でも、コンボをどう考えるかを変えるだけで楽しさの質が変わってきますね。
ではこんなところでー
【ブレフロ】終わんない。いつまでたっても終わんない。
現在レベル51、★5保有3体、コルデリアクリアー。
さて、ブレフロです。
もう個人的にはお腹いっぱいです。
しかしまだゲームは序盤。
いつになったら終わるのかwikiをみてみたところ、
- ざっくり全120ダンジョン
- 1ダンジョン約6クエスト
- 1クエスト約5分
- 120×6×5=3,600分
- プレイ時間60時間
戦闘のみでこれだけです。
戦闘:準備の比率は準備を低めに見積もっても40:60。
ということは準備は90時間。
60+90=150時間。。。
ムリです。いくらLv200の極界召喚輝『統天神』に憧れても、もはやそこまでの体力はありません。
やりこみ要素も含めると更に時間を使うことになります。。。
今回はそんなブレフロをネタに、やりこみ要素を見ていきたいと思います。
ソシャゲはやっぱり無限にやることが出てきてなんぼ。
コンシューマーだとプレイ時間で売り上げが稀薄していくのに反して、ソシャゲは売り上げに直結します。
一人で楽しむブレフロやり込み
ユニット
ブレフロはユニット数が既に1,000近く用意されています。
全員が3段階進化すると仮定、100体程度プレイ中に手に入るとしてガチャユニット200体程度。
まぁそんな人いないと思いますが、全部課金で揃えようとすると最低300回まわさないといけません。
200×5=1,000ダイヤ。100ダイヤ=5,800円。1000ダイヤ=58,000円。
うまく行って課金額58,000円ですね。
こんなもんじゃないぐらい課金している人もいるのでカード系ゲームって怖いです。
ポケモンから始まったのだろうか。
ユニット揃えるやり込みはいろんなゲームでやられてますね。
コンプリートしきれないほどの愛すべきキャラクター達との出会い。
そして出会った後の進化のためにレベル上げや素材探し。
これだけでも十分ボリュームあります。
アイテム/スフィア
ユニットに比べて運営側のコストパフォーマンスがいい「アイテム」。
ブレフロでは消費型の「アイテム」と装備型の「スフィア」があります。
どちらもクリエイティブのリソースを色変えちょい足し微妙な変化で使い回してます。
後は数値やらをいじれば完成。特殊効果系はプログラマー大変そうですが。。。
さて、アイテムやスフィアは後述する村のレベルを上げることにより生成可能になる種類が増えていきます。どんなアイテムが増えていくのか考えるのが楽しい。
また、都市にスフィア交換所という上位スフィア合成所もはじめの方で出現します。
加えてレイドバトル用のアイテムが手に入るギルド公認調合所も同時期に出現します。
なんで3つに分けてるのかなと考えると、
- 単純に買い物できる箇所が増えると楽しい
- まだ作れないものを先に見せて期待をあおる効果
- 「あいつ上位のアイテム持ってるすげー」っていう印としての効果
- ブレフロでも村より都市の方が繁栄しているという世界観を伝える効果
- 通常用とレイド用で分けることでレイドを別ゲームとして切り分ける効果
- 都市にはレイドに挑みたい人が集まっているという世界観を伝える効果
があるのかなぁと。
スフィアに関してはトルネコやシレンみたいに+●とかの方式だとほんと終わらないものになっていただろうに。
アイテムとスフィアのmax所持数が共有なのも無課金者にとってはニクいところ...
これは余談でしたね...
図書館(図鑑)
手に入れたアイテム、スフィア、ユニットを一覧できます。
ユニット一人ずつに短文ストーリー付き。
アイテムとスフィアにもストーリー付き。
こういった世界観を伝える読み物は集めることのインセンティブにもなりますね。
ECショップでも使われる語れる文脈を作り出す手法です。
また、ストーリーは簡潔に、ディテールをしっかりはバイオハザードやバイオショックにも見られる初級者と上級者を分けた考え方です。
こういったディテールがしっかりしているのでコアなゲーマーのこころも鷲掴みにしたのかも知れません。
これだけの量をこなすとはプランナー手間かかってる。。
管理局
人付き合いでもまずはなんでも褒められるところを見つけて褒めるというのが基本だそうです。
ブレフロはプレイ中の行動ほぼすべての要素において褒めてくれます。
何かをタップしたときの演出から、派手な攻撃エフェクトまで、極めつけはレコードです。レコードには達成したらポイントがもらえるマイルストーンが大量に用意されています。
- 累計ログイン
- 累計絆pt
- プレイヤーレベル
- フレンド登録数
- フレンドお気に入り登録
- 自己紹介分作成
- 累計功績pt
- 村の各要素成長レベル
- 音楽購入
- 調合回数
- 図鑑登録数
- 特殊アイテム獲得
- スフィア作成数
- 合成回数
- 進化回数
- ユニットのお気に入り登録
- cost●のパーティ作成
- スパーク回数
- クリスタル入手数
- BB使用回数
- アリーナ勝利回数
- アリーナ連勝数
- アリーナパーフェクト数
- アリーナBB勝利回数
- アリーナオーバーキル数
- アリーナ称号獲得
- クエスト成功数
- ●章クリアー
- 特殊クエストクリアー
- ハンターランク
- レイド成功数
- 特定クエストノーコンクリアー
ゲーム続けていたらなんでも褒めてくれますね。
何かの行動に対してクリアーしました以上のリアクションがあるのはモチベーションを保つのに有効です。アイテムやユニットの入手しかり、経験値しかり。
そのうえ「あなたは実はこんなことを達成していました」と意識していなかった結果に対して訴求、たまーに見に来るとめちゃくちゃポイントが溜まってるので嬉しくなっていまいます。
追加イベント
グランガイア戦記や特殊ユニットクエストですね。
これはクエストと同様、運営さんの頑張り次第で無限に続けられます。
コストを考えると他の要素よりもやることが多いので大変ですが、掲示板の盛り上がりを考えると、コスパは意外と安いのかも知れません。
召喚術研究所
メインメンバーに加えて10体余分に持っていける特殊クエスト「召喚術研究所」。
メインメンバーだけレベル上げをしていても到底クリアーできません。
5体だけレベルを上げるならそこそこな時間を費やすと達成できます。しかし、いろんなキャラクターを育てる関門を用意しておくことで、さらなる時間をつぎ込むインセンティブになっています。
戦闘に全員参加できないのは残念。。。
村育成
RPGやり込みの鉄板、村育成ですね。
ドラクエでもディスガイアでもブレスでも使われている一種のシミュレーションゲーム的な遊び場です。
ブレフロの村にはレベルを上げると合成できるアイテム数が増えるスフィア屋と調合屋、手に入る素材の種類と数が増える山・川・畑・森があります。
いずれにせよ手に入るものが変わることがモチベーションにつながりますね。
これがあることにより、クエスト→合成レベ上げ→クエスト…の単調プレイの流れが、クエスト→合成レベ上げ→村で素材入手→アイテム・スフィア生成→クエストと体力待ち時間の選択肢が増えて行動を選ぶ楽しみになっています。
みんなで楽しむブレフロやり込み
アリーナ
PvPはわかりやすく延々続けられる要素ですね。
てっぺん目指して戦う。
戦争がオリンピックになったように古今東西争いはなくならんのです。
友人に聞いてみると課金する理由は同僚の先輩に負けてるからということでした。
とくにリアルの知り合いと競い合うってのは課金のポイントになるんでしょうね。
友達少なくてよかった。うん。。。
アリーナはクエストとは別メカニクスになっていて1回戦のみのオート戦闘。
この別メカニクスというのがキモで、スキルやBBもさることながら個別のAIが絡んでくるのでクエスト用とアリーナ用と別のキャラクターが有効になったりします。
同一リソースでまるっきり違う遊び方を提供するという。
美学としてはレベルバランスでこれを達成したいですが、確かにクレバーなやり方です。
また、独自で面白いのはランダムルールです。もしかしたらポケモンスタジアムでもあったかな?
さいころを入れると何でも面白い方式で、弱いパーティでもルールがよければちょっと強い人にも勝てるという、初心者にも優しい仕様になってます。
開拓局
アリーナに引き続きPvPではないですがランキングです。
開発局は...Lv50で参加できるほど甘くなかったですね。。。
恐らくアリーナは直接対決の楽しさ、開発局はゲームを探索する楽しさをランキングにしたものだと思ってますが、なにぶん最初のクエストすらクリアーできなかったので考察なしです。
レイドバトル
みんなでクリアーを目指すよくあるレイドですが、これはもっと評価されていいと思う。モンハン的な要素をRPGによく自然な形で入れこんだと思います。
あっちいってこっちいって、あそこ壊して、仲間が支援。
これはいろんなゲームで使えそう。
あと、レイドとアリーナについては"体力"を分けているのが秀逸です。
これにより、「クエスト」→「アリーナ」→「レイド」→「クエスト」...と"体力"の無限ループが発生します。
要するに序盤では辞め時がほとんどない。
恐らく上級者になると辞め時が出てくるんでしょうね。
ゲームにコミットしている分、時短のための課金率が高くなるでしょうし。
結構余談が多くなってしまいましたね。。。
ブレフロはインフレ式のRPGでどこまで出来るのか考えさせられるゲームでした。
ただやり込み系に向いていない飽きっぽい私にはある程度要素こなさないとエンディングが見られないのは辛い。。。
ではこんなところでー
【テラバトル】RPGのボキャブラリー
一つのメカニクスでどれだけ遊びやシーンを作れるかというのはよく考えることで、テラバトルは非常に勉強になりました。
今回はFFを彷彿させるギミック満載のボスバトルの要素を見ていきたいと思います。
ギミックやスキルを使ったボス演出
個人的な意見としては、ボスにはステータスの大小だけではない個性が欲しいと思っています。
こういった個性のあるボス演出は主にFFで培われてきたのではないでしょうか。
いまとなってはFFといえば超美麗なCGによる映像が突出していますが、
昔ドット絵の情報量が少ない中でボスと戦っている状況をいかに表現するかというのは苦労したんだろうと思います。
怪我の功名なのか、はたまた坂口さんが狙ってできたものかはわかりませんが、
ゲームとしてしか体験できない演出がたくさん出現し、それがテラバトルには受け継がれています。
メカニクスとしてはRPGと少し遠いように見えますが、演出を細かに追うとRPGのボキャブラリーが詰め込まれていて
類似点の発見、違うゲームに他のゲームの要素を自然に埋め込んでいくのかがよくわかります。
さて、テラバトルには大まかに以下のような演出やギミックが用意されていました。
遊び方に直接かかわるものもあれば、物語や世界観をプレイ内で語るという手法もあり、
倒し方を思案する、戦場の実景を想像させる、次の物語進行を促進する、とゲームに深みが出されています。
予告系
- 予告後の範囲攻撃
- 現在地に予告後の攻撃
- 向きの予告後そちらにむかって攻撃
- ボスの移動方向に行かないとダメージ
- 爆弾を呼び出す
- 溜め予告からの全体攻撃
予告攻撃は他のRPGでもよく使われていますが、アクション重視のRPGでない限り事前の回復しか選択肢が生まれません。
その点、テラバトルはコマを動かす自身のスキルが問われるので、今回はうまく作動していますね。
全体攻撃においても、いかに事前に連携に巻き込むかといったプレイヤースキルが試されます。
赤いマスが出るパターンと、通常通り敵の上下左右から逃げなくてはいけないパターン、
どう見ても近づかないほうがいいだろう爆弾が出てくるパータン、敵の移動方向についていかないといけないパターンがありますが、
視認性の有る無しでそこからどう抜け出るのか、または予想して逃げるのかでは使う頭が違うので面白いです。
弱点系
- 弱点属性で攻撃を仕掛けると次のターン動けない
- バリアチェンジ
- 属性吸収
強攻撃を防いでそれでいて1ターン稼ぐことが出来るのは緊張感溢れる状況が一転してチャンスになるという興奮するシーンですね。
この属性に弱い、だけではなく、こういった逆転の瞬間が作られると、テンポが変わって面白くなると思います。
また、バリアチェンジもテンポに関連していて、弱点を持っているときは「今だ!!」となるし、
そうでないときは「撤退!!」と行動にメリハリがでます。
属性吸収は別属性が2体以上いるときに効果を発揮します。つまり、範囲攻撃(魔法攻撃)したいけれど一方は回復してしまう。
そんなときに敵同士が離れたら...考えただけでもニヤリとしてしまいますね。
緊張感醸成系
- 時間を巻き戻して回復する
- ダメージパネルで徐々に全体を覆う
- 本体と分身が出てきて本体の位置を見失わないように戦う
- パワーポイントを吸収
- 強制的にHPを1にする
時間を巻き戻すとパネルが徐々に全体を覆うというのは時間制限と言う意味では同じですが、時計とダメージとでは緊張感が違います。
ボンバーマンのサドンデスを思い出しますね。
また、「分身の出現」は神経衰弱的な面白さを付与していたり、どちらが先にポイントを手に入れられるか追いかけっこする「ポイント吸収」、
一気に避けゲーへと変化する「HP減少」と、遊び方が変わり、飽きさせない工夫がされています。
移動阻害系
- 転送装置
- 大量のダメージパネル
- 操作時間減らす
ここに行かなければいけない、ここに行ってはいけない、移動の制限を考えるとほとんど同じことを言っていますが、シーンとしては劇的に変わるので面白いです。
操作時間に関しては、普段ダメージがでかくなるように考えて行動するのがほとんどだと思いますが、時間が減少することによりいかに攻撃を成立させるかと、優先順位が変化します。
演出系
- ボスが途中で逃げる
- 最初と最後に出現
- 敵の一時味方化
- 最初寝てる
ギルガメッシュやオルトロスを思い出します。こういう物語性を持つ演出は没入感を引き立てるので大好きです。
さすがに、ユーザーが離れる可能性がある強制全滅はなかったですね。
個人的には最初に寝てるトカゲのリーダーの余裕感にいいなぁと。
序盤のボスらしく小物っぽさも出ていますね。トラはウサギをかるのにも本気を出すのです。
特殊攻撃系
- 味方を異次元に飛ばす
- 同じ列に揃ったときの合体攻撃
- 浮遊を持つとよけられる全体攻撃
- ●●に攻撃すると■■が反撃、■■に攻撃すると▲▲が反撃
ドラクエ6でバシルーラ食らったときの絶望感。
今回は数ターンで戻ってきますが、いきなり4体で戦わなければならないというあまりない状況に追い込まれる驚きはよいです。
合体攻撃はあいつら仲いいんだろうなぁと想像したり、反撃を予測して順番を考慮して撃破することでチームが瓦解していく快感が現れててテンション上がります。
その他
- 本体と部分(大きな敵の頭と手など)
- マップから1ターン消える
- 仲間を呼ぶ
- 2体で出現し、残った1体が死んだ方を蘇生。同時撃破しないといけない
- ボス自体は雑魚同様だが周りをパワーアップさせる
- ラスボス第2形態
本体と部分というのはもうモンハンでもおなじみですが、新しい見せ方をしてくれたなと思います。
本体と部分がくっついているのはサモンナイトのボスなどでも見ていましたが、こうやって分離して動いていても、
巨大なものと戦っているんだという感覚を生み出していますね。
他にも仲間を呼ぶや、ラスボスの連戦など、RPGでおなじみの演出方法がとられていました。
スマホのRPGが増えてきた昨今、ここまで演出がしっかりしたRPGはみたことがありませんでした。
確かに弱点属性を突く、アイテムでの回復をしっかりする、HPを削られながらもかっこいい必殺技で応戦などなど、スマホのRPGも原始RPGの面白さと現代の高レベルクリエイティブは表現されており、ライトゲーマーにも受けるように、さらに運営の手もかからないコストパフォーマンスのよいゲームだと思います。
そしてテラバトルのような敵の特殊な思考ルーチンが必要になるレベルデザインは恐らくあんまり現代向きではないだろうなとも思います。
ただ、完全にエゴであることは承知の上で、ゲームデザイナーが本気で多種多様な遊び方を提供していることが評価されたらいいなと。ゲームプレイ内の演出により体験が加速されるゲームが増えたらいいなと。
そんなことを思いながらテラバトルの考察は一旦終わります。
ではこんなところでー
【テラバトル】マスを使ったゲームのレベルデザイン
最近はジョブチェンジしたさに、本筋ほったらかしてアイテムクエストばかり行ってます。
さて、今回はレベルデザインの考察です。
難易度の変数としてモンスターステータスの変動はもちろん、マスを使ったゲームである以上、マスをどう埋めるのか、どう空けるのか、が重要なポイントになってきます。
さらには「挟む」行為に生まれる動きや配置がどのように楽しくなるのか。
あるいは適度なストレスを与えるのか。
自由度が増す快感と不自由な状況下でどのように戦術を組み立てていくのか。
こういった視点で要素をみていきたいと思います。
1.快感・不快な敵配置
敵配置の難易度の変数は、
- 敵が多い・少ない
- 敵が離れている・くっついている
です。
上二つをマトリックスでみてみたいと思います。
- 多い×離れている
一番厄介なパターンです。
範囲攻撃を持っていないとこちらの手数が最も多くなるパターンです。
- 多い×くっついている
うまくやれば最も爽快感が得られる配置です。
複数体を挟むと全員に攻撃を行えるという点を考慮すると
挟むところを間違えなければ敵を一網打尽にできるパターンです。
- 少ない×離れている
一番ノーマルなパターンですね。
一体ずつ連携攻撃で個別撃破を目指すもよし、散開して一気に撃破を目指すもよし。
- 少ない×くっついている
言うまでもなく簡単なパターンです。
例としては一列に3体並んでいるなどがあげられます。
瞬時にwaveクリアーになることが多いです。
もちろんユニットの位置や範囲攻撃を持っているか、敵の行動ルーチンにもよるので難易度は一概には言えませんが、上記のような状況になることが多いです。
また、これのバリエーションとして、S字やL字、一直線に上下・左右・ななめを分断、角とりなどがあります。
L字だと2箇所挟めば勝利確定しますし、分断系は分かれた反対側にユニットがいなければ誰も挟めないと、こちらの状況が一変することもあります。
4つのパターンとそのバリエーション、それに敵の数字的な強さを組み合わせながら緊張感のジェットコースターを生み出しています。
2.僕らはパネルに悩まされる
敵配置に加えて、そこに移動することで効果が発揮されるパネルがあります。
主に、ダメージパネルや通れないパネル、連携が阻害されるパネルなどです。
パネルにより、挟めるけどダメージを受ける、敵の移動でどうあがいても挟めなくなるとバラエティに富んだステージが作られています。
敵がこれらのパネルを配置することもあり、流動的に変化するステージに合わせた戦術がもとめられることになります。
3.脅威の回避あるいは犠牲となるユニットの選択
ボスなど特殊な敵はのぞいて、攻撃属性で攻撃してくる範囲が決まっているので、
基本的には配置を考えられれば回避が可能な攻撃になっています。
- 剣:横
- 槍:縦
- 矢:縦横,周囲
が攻撃範囲になるので、挟む方向を思考する必要が出てきます。
レベルバランスという視点で考えると、これに攻撃可能なマス数が合わさり多様な攻撃種別が作られています。
3マス先まで攻撃可能や一列・一行同時といったものです。
攻撃マスが多いほどやっかいですね。
矢属性の敵はダメージ覚悟で行かないとダメなのでHPの量を考慮して挟みに行かなければいけません。
加えて、最遠や最近という攻撃パターンが出てきます。
他にはランダムやカウンター、全体といった攻撃種別がありますが、これはマス移動に対する思考というよりもHP管理能力(回復ユニットの位置取り)が問われるものです。
4.挟みたい、挟めない、行く手を邪魔する敵スキル
パズルゲームでは秩序と無秩序の対比がプレイの楽しさに繋がります。
簡単に言うと自由度の上下とも言えるかもしれません。
直接的に敵の除去とはじき飛ばしでこれを実現しています。
敵を倒すことにより移動範囲が増えて自由になる、敵の攻撃を受けてランダムにはじき飛ばされることで予定していた次の移動方法を変化させないといけない。
間接的には配置や攻撃範囲の問題ですね。
これに加えて、しびれ、眠り、混乱などの状態異常もあり、思うように動かせないストレスをプレイヤーにかけます。
テラバトル特有の状態異常として、マスを移動させる時間を少なくする時間吸収や、確率で発生するスキルの発生率を減少させるものもあります。
また、ダメージパネルや通れないパネルを数個連れて動く、一定範囲にダメージパネルを生成するなど、移動範囲を制限することで無秩序の方向へ誘う敵もいます。
こういったあるメカニクスでしか効果を発揮しない状態異常はコントラストとして遊び方の本質を際立たせるので面白いですね。
5.絶大!強大!巨大!ボス戦闘
ボスは雑魚の4マス分の大きさを持っています。
ですので以下の形で4体で挟むことができ、1度に2回攻撃が発生します。
A B
ボス
C D
ボス戦ではいかに全員連鎖で2回攻撃を発生させるかが重要になってきます。
加えてボスは移動する際、強制的に味方ユニットを押しのけていくので、ここでも無秩序への性向が働きます。
崩されては全員で挟む、崩されては全員で挟むと、ボスと雑魚で戦い方が変わるのも面白いですね。
さらには特殊な攻撃やギミックが追加されていて、強大なボスに全員で協力して立ち向かうという王道RPGの雰囲気がしっかりと醸成されます。
そろそろ疲れてきたのでFFを彷彿させるボスの演出やギミックについてのお話は次回に持ち越したいと思います。
ではこんなところでー
【テラバトル】「挟む」を磨き上げたメカニクス
テラバトルのガチャ運はいい方なのか、無課金でSS三体とマッカリー、アメリパクトが手に入り、はじめに手に入る回復のおっちゃんと合わせてラスボス倒せるパーティが揃ったところでサクサク進むブレフロに移行してしまいました...
気を取り直して、このテラバトル。
戦闘中にできることは、
- 味方キャラをマス上で動かして敵キャラを挟む
だけです。
これだけ聞くと考えずにできるゲームっぽいですよね。
でもこれを絶妙なバランスにする仕掛けをいくつも張り巡らせることでシビアなゲームになっています。
動かし方はパズドラ方式になっており、制限時間内で一つのキャラを使って味方キャラを動かすものです。(これはやってみないとわかりづらい...)
移動がある程度自由なはさみ将棋を思ったらいいと思います。
初心者は敵を挟むだけで精一杯。
うまくなるとどんな状況でも毎ターン連携が決まるのでうまくなるほど気持ちよくなります。
この単純明快な「挟む」という行為を面白くするために以下の仕掛けが施されてます。
1.複数体を挟めば全員にダメージ
例えば
A敵敵敵B
※AとBは味方ユニット
という状況の場合、敵3体を同時攻撃することが出来ます。
敵同士が離れていると1体ずつ攻撃しなければなりませんが、何かの拍子でくっついてくれたらこっちのもの、一気に殲滅も可能になります。
残った敵をものの数秒で消し去ることができ、「挟む」だけのことなのに痛快爽快甚だしいです。
オセロの端から端まで一気にひっくり返してやったような快感が得られます。
2.直線上にいるキャラによる連携攻撃
挟んだキャラクターの攻撃回数は直線上に何人いるかで決まります。
例えば
A
敵
B
だと2回攻撃
A----C
敵
B----D
だと4回攻撃です。
ただ挟むだけでなく、全員の位置関係を理解して挟む必要があります。
3.直線上にいるキャラのスキル発生
直線上にいるすべてのキャラクターがスキルを確率で発生させます。
ここで重要になるのは「魔法」のスキル持ち。
魔法は離れていても直線上にいるだけで攻撃が可能になるので、
A----C
敵
B----魔
※「魔」は魔法スキル持ち
となっていても魔法攻撃で敵にダメージを与えることができます。
逆にいうとCが物理攻撃スキルを持っていても離れていると攻撃できないので意味がなくなります。
いかに物理攻撃が強いキャラクターで挟んで、魔法スキル持ちを直線上に並べるかが重要になります。
また、回復魔法も位置取りの面白さに寄与していて、上記の魔法スキル持ちが回復魔法を持つ場合、自分とBしか回復できません。
どちらの直線上に回復ユニットを並べるか迷います。
「次こっち回復して…」「どうやって並べんだよ…」って悩みながらプレイすることになります。
回復に回数制限がなく、うまいことやれば毎ターン回復できる、ということは逆に回復できなければ自己責任という玄人向けの仕様となっています。
4.槍・剣・弓
いわゆるジャンケンで、槍は剣に強く、剣は弓に強く、弓は槍に強い。
直接挟んだキャラの属性がそのままダメージ計算に反映されます。
この仕様があるので、こなれてくると「こいつは槍で挟んで、こいつは剣で挟もう」といった使い分けが出来るようになってきます。
出撃選択時に敵の攻撃属性がわかるのでそれに合わせてパーティを組むのも可能ですが、
キャラが揃わない場合は戦闘中どのキャラクターでどの敵を挟むのか考えないと敵が思った以上に硬いです。
5.敵の攻撃性向
先ほどの槍・剣・弓は敵の攻撃の方向をある程度決定しています。
槍は上下、剣は左右、弓はクロスとなっているのでどの方向から挟むのか思考することになります。
また、最遠、最近など、ランダムをのぞくと大部分が誰でダメージを受けるかを自分でコントロールできるようになっているので、
敵の行動をあらかじめ考えながら動く必要があります。
6.アイテム出現
条件を満たすと「Pパネル」というスキル発生確率を100%にするアイテムや能力値を補正するアイテムが出現します。
これも直線上に並べると効力を発揮するので、味方キャラだけでなく、アイテムの位置も気にしないといけません。
「Pパネル」は使いどころも重要で、弱い敵に使うともったいないので、わざと直線上から外さないといけなくなり、
強力なアイテムがとたんに邪魔アイテムに変わるとこはうまいなぁと思います。
このように「挟む」というコアなメカニクスを、戦術的に考える余地がでるように細かく補強していますね。
ゲームを作っていると思いつきで関係の薄い要素を付け足したり、その逆の場合もよく直面します。
常にこの要素がある時とない時でどのように変化があるのか、どの部分が変わるのか、コンセプトに沿っているのか、それはコストパフォーマンスとしてどうか、を考えながら作っていくことが大事かなと思っています。
ではこんなところでー
テラバトルがリリース4ヶ月らしい。
FFの坂口さんが手がけたアプリ、テラバトルがリリースされて4ヶ月がたったらしいです。
私のテラバトル遍歴と言えばレベル上げやジョブチェンジが楽しかったり、
ブレフロに浮気してしまったりで未だに12章止まり...
さて、ダウンロードが160万突破ということですが、「白猫プロジェクト」別格としてもモンスターアプリと呼ばれるアプリがおおよそ2ヶ月程度で200万ダウンロードを達成する時代においては少しスローペースな面があります。
「長期的に楽しんでもらう」を目的にダウンロード数を追いかけていないということで、広報不足の面もあるのでしょうか。
ダウンロードスターターは坂口さんの人脈の広さを改めて実感する斬新な試み。
開発者の意図「長期的に楽しんでもらう」を具現化したものですね。
次の行き先、次の武器、次の進化のような、「次」を見せることで期待感をあおるゲームの手法を取り入れた面白いシステムだと思います。
これにはクリエイティブの追加だけでなく、協力バトルなどのフィーチャー拡張もあり、リーンスタートアップっぽいです。
レイド、Co-op、PvP、GvGがそろそろ当たり前になりつつあり、開発コストがうなぎ上りになっている現状で、コアなメカニクスを先行して公開する形はこれからも増えるのではないかと思っています。
さて、運営としては硬派と呼びたくなるようなオーソドックスな形です。
ユーザー獲得の施策
- クリアー動画共有ボタン
DAU関連の施策
課金率関連の施策
- ガチャキャラの追加
ARPPU関連の施策
- ガチャキャラ追加
- ガチャ重複時のスキルブースト
ぱっと見、課金率関連の施策が圧倒的に少なそうです。
テラバトルは課金箇所がスタミナとガチャのみ、
しかもダウンロードスターターでのガチャキャラ追加が主で、これは一ヶ月に一回程度です。
このゲームはどのガチャキャラを育てるのにもある程度の時間がかかります。
さらにBランクやAランクで全クリが可能なレベルバランス。
なので、時短にどれほど使うかにもよりますが、ARPPUは低いのではないでしょうか。
課金せずとも長いこと遊べるのは200万ダウンロードでの開発開始になっているコンシューマーでリクープする予定だからとも見られます。
200万人がアプリというデモ版をプレイした潜在顧客で、多目に見積もって20%が購入したとして40万人。
単価4000円として16億円+アプリ版収益で原価を目減りさせること、
新たな要素追加による長期的なプレイでLTVを高めること、でリクープでしょうか。
同じリソースを使いながらチャネルを増やす方法はアプリでは珍しいので、どうなるか楽しみですね。
ではこんなところでー